半沢直樹さんを読んで・・・

学校図書の先生とは、親しくさせていたたいてます。
ナンチャッテ高校は、話題作をタイムリーに入れてくださるので、「話題作はすぐに読みたい・・・でも、買うのもなぁ」というピンチ家計の救世主的存在です。


今回の本は、いま、テレビドラマで第人気になっている「半沢直樹」の原作です。
「オレたちバブル入行組」という題名。おもしろかった。
で、昨日新たに借りてきたのが、同じく池井戸潤さんの「シャイロックの子どもたち」という本。これは、東京第一銀行長原支店での日常と、そこで働く人々が描かれた群像劇。
日常といっても、ここは小説。
ある日銀行のお金が100万円紛失して、女子行員の一人に容疑がかかったり、あまりの設定目標の高さにストレスを感じて精神的に病んでゆく行員がいたり、突然本社から調査が入ってあたふたしたり、出世欲の塊の支店長と副支店長の姿が赤裸々に描かれ、挙句の果てには行員の蒸発と殺人事件と偽装殺人と・・・よくもまあ、そんなに非日常な出来事が起こるもんだ、とただただ驚くばかりの日常です。



半沢直樹さんが一人奮闘する「半沢直樹」より、「シャイロック」の登場人物のほうが等身大で、より身近に感じました。


実は、実家の母と、妹の家では、地道に「銀行の月掛け」を永年続けています。かつてはナンチャッテもやっていた時期がありましたが、諸般の事情により、しばらくやっていません。
ナンチャッテが店の手伝い(早い話が掃除です)をしていると、毎月一回、若い男の行員さんが「こんにちは○○信金です」と爽やかに店に入ってきます。所詮、主婦のへそくりですから、一万か二万の少額預金なんだけど、見下したり、面倒臭がったり、そんなそぶりは一切にく、とにかく、爽やかなのよ。おまけに、このあいだは、うちの店の宣伝をお願いしたら、実に気持ちよく受けてくれて、実際にお客さんまで紹介してくれたりしました。


池井戸さんの作品に登場する、いわば銀行ヒエラルキーの一番底辺にいる「新入社員から数年」の若い男の子の苦労を、知ってしまった今、預金高では貢献できないけど、優しい言葉と、お茶の一杯くらいは出してあげようと思ったのでした。