初売り

2014年一月四日から、ナンチャッテ屋は開店しました。
思えば、昨年夏のリニューアルから満五か月。
店の掃除・ほとんど全商品の水洗い・季節ごとの展示の入れ替え・照明器具の取り換え・倉庫の整理(未だ道半ば)・在庫のナンバリング・・・妹と二人、限られた時間と予算の中で、おそよ考え付く限りのといっても過言ではないほどの改良を加えてまいりました。
はっきりいって、2013年は、「店の埃落としと商品を磨いた年」だったと思います。
その真価が問われるのは、2014年だと思っています。


おかげさまで、初詣で神社を訪れる通行人の方々の中には、ナンチャッテ屋の店の前で足を停めて店を見て行って下さる方もいらっしゃいました。
それ故に、ナンチャッテは、新春四日が待ち遠しくてたまりませんでした。
あれだけたくさんの方の目に留まったわけだから、四日はお客様がわんさか押し寄せて、店は大繁盛かも。

昨日は昼過ぎに、息子Aを最寄りの駅まで送っていきました。
普段なら、息子を駅のロータリーで降ろすときに、
「体に気を付けて。学食でバランスのいいものを食べて。留年しないように。寝坊は禁物。事故に合わないように。風邪ひくな」
と、くどくど説教じみた呪文を唱えて嫌がられています。
今回は、店の様子が気にかかり、そんな呪文もそぞろになり気味でした。


息子をさっさと降ろすと、勢い込んでナンチャッテ屋へ直行しました。
と、店には、妹が手持無沙汰気味に、棚の上に並んだ急須を布で磨いておりました。
「どっ、どうよ」
と気負いすぎて噛んでしまうナンチャッテに、
「だ〜れも来ないんですけど・・・」
との答え。新年早々二人して沈んでしまった初売りの日でした。


せめてもの慰めは、夕方近くになって、
「初詣で、この前を通った時に見て、気になったので買いに来ました」
といって酒器を買いに来てくださったお客さんが一人だけいらしたこと。
その酒器は、年末に妹と二人で「見栄えよく」をモットーに新たにディスプレイした九谷焼の徳利と杯のセットでした。
「いかに商品を魅力的に見せるか、に尽きるよね」
と、の思いを新たにしたナンチャッテ姉妹でした。