人間はどこまで動物か

高校一年生の現代文で、『人間はどこまで動物か』という評論文を扱っています。
第一学習社という会社が出している標準国語総合の教科書の中で、ナンチャッテが一番面白いと思った単元です。


ところで、人間とほかの動物との違いはなんだと思います?
二足歩行?
道具の使用?
道具の製作?
コミュニケーション能力ですか?
抽象を理解するちからでしょうか?
文化を有することでしょうか?


中学校の国語の教材に、チンパンジーの群れをフィールドワークで観察したという話が載っていました。
チンパンジーには、各群れに独特の文化があることや、その文化が伝えられていくものだといった興味深い内容でした。
去年の二年生が使っていた教科書には、チンパンジーは道具を使うばかりか、道具の製作までするという内容のものが載っていました。
チンパンジー研究は進めば進むほど、興味深い事実が出てきて、ヒトとの決定的な違いがなくなっていくようです。


愛知県犬山市には日本モンキーパークという施設があって、そこには日本最大の霊長類研究所があります。
なんといっても、そこには天才チンパンジーのアイちゃんと息子のアユム君が住んでいます。
ナンチャッテの住む地域では、夕方のあるニュース番組で、定期的にアイちゃんとアユムくんの成長を追うコーナーがあります。
ナンチャッテの最近のもっぱらの関心ごとは、年ごろになったアユム君の恋の行方です。
アユム君は熟女好みらしいという事実にちょっとショック。
アユム君のことを好きな年ごろのチンパンジーには目もくれず、お色気満々の年増のチンパンジーにのめりこむ様子は、人間の若い男の子が、手練手管に長けた年増の女性に、その気にさせられる様子がばっちり重なり合うように思えて、
「アユム、もっと自分の身近をよく見てごらんなさい。アユムのことを思ってくれている娘が隣にいるよ」
と、テレビ画面越しにアドバイスしています。
年増チンパンは、気のないと素振りを演じつつ、時々こっそりアユムにちょっかいを出します。
思わせぶりにお尻を高々と上げて、アユム前を通り過ぎたり、アユムの視線を気にしつつ、バナナを食べていたり。
意外とクールなのは、アユムのお母さんであるアイちゃんです。アユムの恋の行方にはあまり関心が無いよう。


前回見たときには、生まれて間もない赤ちゃんが主人公になっていました。
チンパンジーの赤ちゃんのかわいらしいこと!
人間界でもそうですが、電車なんかで隣に座った赤ちゃんでも、ついつい「いないいないばー」をしてしまいませんか?で、赤ちゃんが笑ったりすると、すごくうれしくなります。
チンパンジー界でも、同様に、中年のおばさんチンパンが、赤ちゃんのところにやってきては、まったくナンチャッテがやるのと同じ方法で「いないいないばー」をやっていたのには、驚いてしまいました。


さて、先ほどの「人間はどこまで動物かという問い」は、どういう結論だったかといいますと、その問い自体がナンセンスだという結論でした。
日高敏隆さんの『人間はどこまで動物か』という著書からの抜粋だそうです。