今更ながら

店のレイアウトを、また少し変えてきました。
ぎっしりと在庫の商品が詰まった壁面の棚を、一段空けて、そこをディスプレイできるようにしてきました。三段の階段状にして、奥の商品まで、お客さんの目に触れやすくしてきました。また、ウコン色の布を敷き、商品が目立つように工夫。


ナンチャッテ屋は、ほぼ100年間も店のレイアウトに関しては、無配慮で、すべての商品が、縛って棚にぎっしり収まっている、「倉庫」のような商品の見せ方をしてきたのでした。
それを一年かかって、いわゆる一般のお店並みの「見せる」レイアウトに変えてきたのでした。現在もレイアウトの変更は進行中です。


妹が、去年三月からの、売り上げを集計(どんな商品が、いつ、売れているのか)してくれました。
すると、明確にあることがわかってきました。

「見せ方」や「飾り方」や「季節感の演出」で、お客さんの目に留まる確率が格段に上がるということです。
ナンチャッテ屋では、「○○フェアー」と銘打って、今までにも、さまざまな特集をしてきました。
織部焼フェアー」「志野焼フェアー」「ごちそうさんフェアー」「昭和レトロポップフェアー」「秋の食卓フェアー」「箸置きフェアー」「小皿・豆皿フェアー」など。
すると、漫然と並べてあった時に比べると、商品に興味を持って見てもらえることが多いことが、数値にも表れていたのです。


そして、ナンチャッテは、今更ながら理解したのです。
「店」の語源は、「見せ」なんだってことを。
お客さんが見たいものを、季節を先取りしたり、「こんな風にも使えますよ」と、使い方の提案をしたり、一番大事なのは、店に入っていただいたときに「なんだか楽しい」と思ってもらえること・・・つまりは、ある種のエンターテイメントとしての役割も持っているんだってこと。


ナンチャッテ屋では、ゆっくり店の商品を見ていていただくために、お茶とお干菓子をお出ししているんだけど、皆さんにとっても好評で、
「つい長居しちゃうわ」
といっていただけるようになりました。
ナンチャッテ屋のような店って、毎日消耗する食品や、季節ごとに流行が変わる洋服とは、商品の性質が違います。
本来なら、家にすでに揃っている食器類を、わざわざ買い足す必要はないわけです。割れてしまったというなら別ですが、今、現在、ご飯茶碗が無いご家庭は無いじゃない?
しかも、焼きの甘い中国製で、釉薬に心配があるとはいえ、それを気にしないなら、一つ100円でも買うこともできるわけです。
それなのに、わざわざナンチャッテ屋に来てくださったお客さんが、この店に何を求めているのか・・・

それは、ナンチャッテ屋で、なんだか楽しいと思っていただける、ある種のリラックス、というか、選ぶ楽しさを味わっていただく空間であるべきなんだということが、わかってきました。


未だに、店の前の通りは人通りが少なくて、一番のネックといえばネックです。
とはいえ、それを嘆いていても仕方がないので、「口コミ」来ていただくお客さんや、リピーターのお客さんに来ていただけるよう、努力していかないと!