金屏風の魔力

ウイークデーは、高校で常勤講師として働き、週末は、ナンチャッテ屋で売り子として働いています。
ナンチャッテ屋の、主にディスプレイと力仕事を担当しています。本当に働き者のナンチャッテです。


商品の価値は「見せ方次第」だということは、どんな本にも書いてあります。
これは本当でした。
それを一番実感したのが急須です。ナンチャッテ屋が、半分戸閉していたころ、急須は、店の片隅の籠の中にゴロゴロ山積みさせていました。
それ(全く同じ商品)を、雛段状にした飾り棚に、ウコン色の敷布を敷いた場所に移した途端、お客さんの目を引いて、今ではナンチャッテ屋の売れ筋商品にまで成長したのですから。
「あんなに売れなかった商品が・・・」
と、実はナンチャッテ自身が一番驚いています。


今、ナンチャッテが一番「売り出したい」商品が、お湯呑です。
大型ショッピングセンターに入っている陶器屋さんでは、あまり見かけないものが、お湯呑だからです。
実は、急須・土瓶なども、そういうお店では、選ぶことができません。せいぜい五から十種類のデザインという品揃えです。
ところが、ナンチャッテ屋では、百種類以上の商品が揃っているのです。五客や十客の商品なら、その場で数も揃います。100客程度なら揃うオーソドックスな柄でも、10種類くらいはございます。
その強みが活かしきれていないのが現状なのです。


で、そのことについて日々思いを馳せていたナンチャッテに、突然天啓が閃きました。
「一つ一つの湯呑に、特別感を演出してやればいいんだ!」
で、一つ一つの湯呑の後ろに、金屏風を立てて並べてみました。


いつも自画自賛で申し訳ありませんが、「めっちゃ欲しくなる」商品に見えてきたではありませんか。
金屏風の前にちょこんと据えられた薄手の玉湯呑は、どう見ても一つ2000円クラスに見えます。が、実際には、
「え゛〜?たったの450円かい!」
という価格を見て、そのギャップの大きさに驚いてもらうという趣向です。
恐るべし、金屏風。


金屏風の前に立つ新郎新婦は、スペシャルな存在で、その場で一番輝いています。金屏風の無い結婚式はイチゴの乗っていないショートケーキみたいなもんで、普通の若いカップルが二人並んでいる・・・にしか見えませんが、金屏風の前に並んだら、たとえウエディングドレスを着ていなくても、特別な二人になります。
そう、金屏風には、普通のものをスペシャルに見せるという魔力があるのです。


さっそくお客様の反応が気になります。