サンキューって ・・・その②

漢字の音読みとは、ちょうど、江戸時代に無理やりエゲレス言葉を日本語風に発音したようなものだと思ってください。
その証拠に、いまでもthank youの発音をカタカナで書いてくださいというと、まず100パーセントのものがサンキューと書くでしょう。39じゃあるまいし、サンキューはないでしょう。

でも「th」を的確に表す日本語が存在しない以上、「サ」でも仕方がないのです。



山という漢字には、もともと「shang」という発音がついていたのですが、日本語にシャング(グは発音せずに口をあけて鼻から音を抜く)という音が存在しなかったために、サンという音に直されたのでしょう。



つまり、音読みは、漢字という文字が朝鮮半島経由で中国からもたらされた時に、訛ったり、その発音を表す音自体が日本に存在しなかったりしながらも、文字と一緒に連れてこられた音なのです。


その証拠に、訓読みのない漢字は山ほどありますが、音読みがない漢字というのは、国字を除いてもごく少数しかありませんよね。



こういう歴史物語をしてあげると、生徒も喜ぶし、音読み・訓読みの定着もいいような気がします。



ひらがなとカタカナの歴史も、すごく面白いお話があるんですよ。それはまたの機会に。