オープントップバス

香港出発の前日、東京から帰省してきた息子Aが、オープントップバスのツアーに申し込んでくれました。
オープントップバスというのは、ひょっとしたら旅番組なんかでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、二階建てバスの屋根を取り払った観光バスで、夜の八時半から一時間のガイドさん付きツアーです。
私たちが申し込んだのは「パンダバス」という会社のもので、一人7000円くらいだったかなあ?(定かではない)
集合場所は、九龍ホテルのロビーということで、時間にその場所に行ってみると、日本人が集まってきていましたから、すぐにわかります。


ちょっと変な発音の元気のよい香港人のバスガイドさんが一陣の風が吹き込むかのごとくにロビーに入ってきて、ささっとメンバーを確認して、あっという間にツアー客をバスにのせていきます。ほとんど神業みたいな客の扱いでした。もっともこれができるのも、時間を守る美徳が備わっている日本人相手の商売だからこそでしょうけれど。


コースとしては、主に九龍のメインストリートのネイザンロードという繁華街のキラキラの看板の下をくぐって、その界隈を案内してくれるというものです。
ガイドさんは、時事ネタやエンタメ情報を随所に入れつつのマシンガントークで、大変面白かったです。
ガイドさんのお勧めのジモピー向け食堂なんかの情報もありました。ちなみに、私と息子Bは夜食をその店で食べてきました。
実は、そのバスツアーは途中下車も可というもので、ほとんどの客は、ツアー終盤の「女人街」というストリートで下車しました。
「女人町」というのは、巨大な屋台の続く路地のことで、パチモンや、胡散臭い商品や、いかにも中国風みたいな商品を、値札なしで売っています。要するに店主の言い値なんだけど、これを値切って値切って買うという、いわば一種のショッピングアトラクションとでもいいましょうか。
女人街の屋台は、延々と続きますが、欲しい!と思えるような代物は本当に無くて、ちょっとがっかり。とはいうものの、ショッピングアトラクションに参加するつもりで、飛び出すグリーティングカードを値切って値切って買ってきました。冷静に考えると、日本の東急ハンズあたりで同じような価格なら、もっと洗練されたお洒落なものが買えたなぁというくらいの値段設定です。もともとつけている価格が、べらぼう価格であることがわかります。
とはいえ、そのアトラクションを楽しみ、ぶらぶら歩いているうちに小腹も減ってきて、先ほどのオープントップバスのガイドさんに教えてもらった食堂で夜食を食べてホテルに戻りました。

ここで、一言付け加えておきたいのが、夜にタクシーを拾うのが非常に難しいということ。
私と息子Aはさんざんタクシーを探しましたが、結局は拾えずに地下鉄を乗り継いでホテルに戻ってきました。
地下鉄の本数は、五分おきくらいの感覚ですぐに来ますが、日中さんざん歩き回った身としては、地下鉄乗り場を探し、そこまで歩くのが結構な苦行で、へとへとになって二日目の夜を終えました。

香港島

香港二日目の朝は、ホテルの朝食を楽しみました。
ちなみに、私たちの泊まったホテルは、『ハーバープラザ・メトロポリタン』という九龍の紅磡駅に隣接するホテルです。ホテルとモールが一体になっていて、そのモールを抜けた先に駅がありました。
香港初めてのナンチャッテは、最寄駅までの徒歩5分という近さを基準に宿をとりましたが、実際にここで泊まってみて、もう一つ手前の地下鉄駅『尖沙咀駅』に近いホテルを選ぶべきだったと、反省しました。なぜなら、紅磡駅からどこへ行くにも、一旦は
尖沙咀駅での乗り換える必要があったからです。もしも、香港旅行を考えておられる方がありましたら、一度地下鉄の路線図を確認してからホテルの予約をなさるこきとをお勧めします。


ハーバープラザ・メトロポリタンホテルは、ホテル内の設備も環境も部屋の広さも満足できるとても良いホテルでした。朝食はパッフェでしたが種類も多くサービスもよかったです。フロントの従業員は全員英語を話していました。


朝食後にまず私たちが向かったのは、地下鉄駅で、そこで「オクトパス」というプリペイドカードを購入しました。地下鉄もフェリーもバスもトラムも、お買い物にも使えてしまうので、いちいち小銭を出す手間もなく、旅行者にもお勧めです。帰国の際にはわずかな料金で払い戻しもしてもらえますから、安心して。


まずは、尖沙咀駅まで出て、フェリーで香港島にわたりました。
九龍から香港島へは地下鉄でも一駅なんだけど、一度はフェリーに乗ってみてくださいよ。すごく気持ちいいですから。だんだんと香港島の摩天楼が近づいてくる迫力、潮風も気持ちよく、一瞬ここで生活している生活者の気持ちにもなります。所要時間は10分程度。料金は100円以下だった気がします。


香港探索の初日の予定は、香港島をトラムに乗って、気が向いたら降りて、ぶらぶら楽しむというものです。
ガイドブックでお墨付きのあった『𨉷記』という広東料理の老舗レストランは、息子Aが日本から予約を入れてくれていたので、昼をそこで取ることを目安にして、ショッピングを楽しみました。
昼ごはんのあとは、お約束の「ヴィクトリア・ピーク」!
ヴィクトリア・ピークまでは、ケーブルカーで行くのが王道ですが、ケーブルカーの駅に並ぶ長蛇の列を見て心が折れて、タクシーで行きました。実は、香港のタクシーは値段的には日本の半額以下くらいの設定になっていて、二人でケーブルカーに乗るのとほぼ変わらないくらいの値段です。
ヴィクトリア・ピークには、ぜひ登ってください。
眼下に摩天楼と海と向かいの九龍が一望できます。展望台まで登るのに、入場料が発生しますが、これは払う価値ありです。本当は、夜景もここから見たいところですが、その日の夜は、『オープントップバス』に乗る予約を取っていたので、昼間のビューを楽しみました。
下りはもちろん、ケーブルカーでおりました。10分かそこらのライドですが、かなりの傾斜を下って行く様子は、なかなか面白いでした。


このあと、一旦ホテルへ戻って、お買い物した荷物を下して、いよいよ夜のお楽しみ、オープントップバスが待っています。

香港旅行

ナンチャッテは、なるべく職場に迷惑が掛からないようにと、午前中は授業をこなし、午後発の飛行機を取ることにしました。ちなみに、日本へ帰国する便も、翌日の仕事に差し支えないように、朝一番の香港発を取るという、気配り十分な大人な対応をしました。本当のことを言えば、三泊四日を目いっぱい使いたかったのですが、そこは、ほら、社会人としての配慮ってもんですよ。

香港出発の前日の夜に、息子Aは東京から帰省して、一晩我が家で前泊しました。
息子Aは、二度寝して何度か大切なイベントをすっぽかすという前科があるので、さすがにそれを自覚していた本人が、前泊した方が良いと判断したようです。出発当日はナンチャッテと息子Aは、最寄駅で待ち合わせをして、一緒に空港予期のバスに乗って無事に空港に到着しました。
香港行きの飛行機(キャセイ)は、出発が一時間遅れて、香港の空港に着いたのは、夜の10時過ぎでした。夜着の飛行機で、初めての地で、自力で飛行場からホテルへ行ける自信がなかったナンチャッテは、一人8000円程度の出費で、飛行場への往復にガイドがつくというオプションをつけていましたが、これは正解でした。
夜着の飛行機だと、体も疲れているし、気は焦るし、地理も理解していないし、交通システムもわからない、こんな状態では、ホテルに到着するまでに、同伴者と険悪な雰囲気になってしまうこと請合います。


とりあえず初日の夜は、ホテルでゆっくりのお風呂に入って、ベッドに倒れこむようにしてぐっすり眠りました。


ところで、ここへきて、皆さん方は
「あれだけかわいがっていたペットの猫はどうした?」
と思っておられるのでは?
わが家の姫猫テルをどうするかについては、ナンチャッテも心を砕いて考えましたが、やはり誰かに預けるのではなく、誰かに家に来てもらって世話をしてもわぅ方がストレスが少ないのではないかと考え、一日一回、ごはんとトイレの世話をしに妹に来てもらうことにしました。
当然前もって予行をして、テルにも妹にも慣れてもらい、いよいよ出発の朝には、ナンチャッテはテルが「ぎょえっ」と鳴き声をあげるほど抱きしめてしばしの別れを惜しみつつ家を出てきました。
結論から申し上げましょうか。
私が帰国したその日の夜は、テルは何度も何度も何度何度も・・・・起きては、ちゃんとママが一緒に寝ているかどうかを確かめるかのように、あのザラザラのやすりのような舌で、ナンチャッテの顔をジョリィッジョリィッと舐めまわし、まさしく言葉通りぴったりと体を寄せて一緒に布団で寝ておりました。
ほんとうに「ういやつよのぉ」です。


さて、いよいよ香港の二日目が始まります。

香港旅行

二月十七日(金)から二十日(月)の三泊四日、息子A(東京在住)と私の二人で、香港への小旅行を楽しんできました。
この旅行は、「息子Aが今年の四月から社会人になると、簡単に家族旅行もできなくなるねー」、というナンチャッテの一言から端を発したもので、原案では「家族そろって一緒に行こう」だったのですが、それぞれの都合を合わせることが困難で、結局二人で行くことになったのでした。

最初は台湾旅行を無計画しておりましたが、旅行会社に申し込みに行ったときには、すでにお値打ち価格のものは満員だったため、日程と目的地を変えて、やっと実現したのです。現在、テロを恐れてヨーロッパ方面への旅行客が減って、その分比較的安全で、かつ、イスラム教徒の少ない台湾は一番人気の旅行先なんだとか。

香港にせよ台湾にせよ、ナンチャッテは初めて訪れる国なので、とってもワクドキです。

息子Aの特技は、なんといっても地図を読む力と英語力です。知らない土地で役に立つ能力を二つも身に着けている便利な人なのです。
一方、ナンチャッテは。デパートでトイレに入って出てきたら、もう自分がどこにいるのかわからなくなってしまうような典型的な方向音痴。簡単に一人で知らない土地へ出かけることなんか、絶対に無できない人間なのです。
フルタイムで働くようになって三年目のナンチャッテは、ここで太っ腹なところを見せ、「資金面ではケチケチせずに、短い滞在時間を目いっぱい堪能できるような旅行を計画してほしい」と、まえもって「ママのウィッシュリスト」なるものを送って、おきました。
・香港と言えば夜景、夜景をプロムナードから眺める
・香港と言えば、ヴィクトリア・ピーク、香港の俯瞰を眺める。
・トラムに乗って、香港島を楽しむ。
・香港の一般人のように香港島九龍半島をフェリーで行き来する。
・マンゴプリンを食べる。
広東料理のアヒルの丸焼きを食べる。
・足つぼマッサージを体験する。
オープントップバスに乗って夜の香港を突っ走る。
・ネイザンストリート界隈の女人街の夜店を散策する。
・飲茶を楽しむ
・早茶を楽しむ。
・潮州料理を楽しむ。
・香港歴史博物館を見学する。
・カメゼリーを食べてみる。
こんな感じのウィッシュリストをラインで息子Aに送り、郵便で「地球の歩き方」を送ったのでした。

季節の演出

随分ブログをお休みしてしまいました。ご無礼しております。
店の方は、細々とではありますが、続いておりましす。そして大変ありがたいことに、少しずつではありますが、認知度が高まってきて、新規のお客様が増えてきております。感謝の気持ちでいっぱいです。


さて、今年の店の取り組みとしまして、季節を二ヶ月先取りして店の設えをしていこうと考えております。
素人で小心者のナンチャッテ屋としましては、お正月に「雛人形」を飾ったり、三月上旬に五月人形の置物を飾ったりすることにずっと抵抗感があって、せいぜい一ヶ月前に店に並べているような塩梅でした。
しかし、世の中の「流行っている店」は、正月の三が日が過ぎると、松の内にもかかわらず、すでに「春」のイメージで桜が飾られ、雛人形が並んでいるではありませんか。


昔堅気の母は、「正月から雛人形なんて」と、今一つ乗り気ではありませんでしたが、妹とナンチャッテで、季節感の二か月前倒しの設えを決行してみました。
すると、それなりの反響がありまして、雛人形の箸置きをお買い上げくださるお客様が前年度に比べると、倍ほどにも増えました。
やっぱり、日本人は季節感の先取りに敏感なんですよ。


そこで、先週末は雛のお節句も終わったことでしたので、大急ぎで「五月人形」の仕様に衣替えしました。
一番目につく棚には、土の質感が趣深い、立ち姿の兜の武将の置物を置きました。金屏風を背負いった全長15センチほどのかわいい武将の姿は、微笑ましくも凛々しくて、内心では、この商品は売れなくてもいいなあ、と思っておりましたら、飾った翌々日にお買い上げとなりました。一点ものの商品だっただけに、こんなに早くお買い上げとなってしまって、ちょっと残念な気もするナンチャッテでした。

今日は、ニューアライバルの商品として、「鯉に跨った子供」の置物が入ってきました。
昨年も大好評だった「鯉に跨った子供」ですが、昨年までのものは茶色の土の色を生かした鯉に金の彩色が施されたシックな作品だったのに比べ、今年の商品は鯉の鱗がカラフルに彩色されていて明るくモダンなのが特徴です。こちらも各二点の限定品のため、売れてほしいと思う反面、しばらくはナンチャッテ屋にいてほしいと思っている商品の一つです。


というわけで、今、ナンチャッテ屋は、五月人形・兜と太刀の箸置きのセット・馬に乗った子供・鯉に跨った子供の置物・鮮やかな花菖蒲の描かれた菓子鉢など、端午の節句に飾りたい商品が勢ぞろいしております。

ヘソ天のテルちゃん

ヘソ天という言葉、ご存知でしたか?
早い話が、犬や猫などの動物がヘソを上に向けて、つまり仰向けになって寝ている状態のことをさします。
おそらく野生の動物にはあり得ない体位なんじゃないでしょうか。万が一天的に襲われた時、一番無防備なお腹を曝しているわけですし、すぐに起き上がれないから逃げるにしても確実にワンテンポ遅れてしまいます。
家の中で、絶対に安全が保障されているペットは、しばしばこの体位で寝ています。

犬のことはよくわかりませんが、猫の場合、ヘソ天の状態だと前足が『バンザイ』状態になって宙に浮いている感じになってしまいます。
この冗談みたいな体位が大のお気に入りなのが、うちのテルちゃんなのです。


昼寝はもちろんのこと、夜、私の隣で寝ているときも、へそ天で寝ています。

「猫はこたつで丸くなる〜」の歌詞にもあるように、もともとは背骨を丸めた格好が猫の自然体だと思っていたのですが、意外とそうでもないのでしょうか。へそ天をしていると、背骨はまっすぐか、反っている感じなんですけど。

テルちゃんは、ソファーの背とクッションの隙間が一番のお気に入りの場所らしく、その隙間にすっほりと背中と頭をはめ込んで、両手を万歳して大きく首をそらせたスタイルで寝ています。
このスタイルだと、人間の赤ちゃんが寝ているスタイルと同じなんですよね。
ことばにできないほどかわいいです。

猫、飼ってみようかなぁ、どうしようかなぁ、と思っていらっしゃる方がいらしたら、ぜひともいちど、シェルターの猫ちゃんとトライアルの二週間くらい試してみてはいかがですか?
ペットショップで買う猫ちゃんは、一度買ってしまったら、万が一相性が合わなかったとしても、返却することできませんが、シェルターの猫は、お試しして、それぞれのお宅に合うかどうか試せるのですから、やって見る価値はあると思うのです。

毎日、仕事先から家に帰ってくるのが、楽しみになりますよ。

けっこう執念深いテルちゃん

テルちゃんは、去年の夏に予防接種を受けたという記録があるので、今年もその時期に二回目の予防接種をうけることになりました。
推定二歳のテルちゃんは、動物シェルターに預けられてから、推定生後半年で予防接種と避妊手術を受けたことになります。
どこのお宅の猫ちゃんでも、押しなべて、狭いところが大好きなくせに、ネコ携帯用のバスケットに入ることには、異常なほどに警戒心を見せているようです。うちのご近所の、猫愛好家の方々は、口々に愛猫をバスケットに入れるのがいかに大変かを話しています。恐らく、家の中で飼われている猫ちゃんの場合、バスケットに入れられる状況といえば、外出する時で、しかも行先は動物病院で、注射か薬を飲まされるか、いずれにしても楽しくない目にあったことしかないのでしょう。
ご多分に漏れず、我が家のテルちゃんも、あのバスケットを見るだけで心拍数が倍くらいに上がってしまいます。


八月の下旬ころ、いよいよ動物病院に連れて行くことになりました。テルちゃんの隙をついて、さりげなく抱っこしたついでに、、あのバスケットに入れると、火のついたように泣き出し、道中、声が涸れるほど鳴き続けました。隙間から覗いてみると、目に見えるほどにぶるぶる震えています。病院に着くと、何かを察知したのかぴたりと泣き止み、代わりに、前よりももっと激しくぶるぶるぶるぶる・・・・震え続けています。


随分待った割には、手際よく診察と予防注射が終わり、なんとか再びバスケットに入れて自宅に戻ることができました。


可哀想なテルちゃんは、その日一日緊張が続き、抱っこしてみると夜までブルブルが続いていました。
そして、初めて我が家にやってきたときのように、物陰に身を隠して、じっと様子をうかがうテルちゃんに戻ってしまいました。
さすがに翌日の朝には体の震えは収まっていましたが、テルちゃんがママを見る目に、明らかに不信感が宿っています。


その証拠に、普段なら、ママが外出先から戻ってくる車の音を聞くや、大急ぎで玄関に走ってきて「ママー、寂しかったよーーーー。にゃーーーーーー。早く抱っこしてよーーーーー。ニャーニャニャニャ」と、ママ大好きコールがあるはずなのに、この日は、玄関にお迎えにすら出てきませんでした。
二〜三日は、そんな様子で、「ママ、私を騙したよね。私、マジ不信感持ってるんだにゃーーーー」のオーラを出して、お迎えすらなかったのです。
その後は、しぶしぶという感じで、玄関でのお迎えは再開したものの、「にゃ」の一声の挨拶も無く、「私、まだママのこと許してないもんね」のスタンスが続きました。


やっと、玄関お迎えに「にゃー」の挨拶が付くようになったのは、あの予防接種から一か月以上たった九月下旬のことでした。

鶏は三歩歩くと記憶が消え、猫は三秒前のことを覚えていない・・・なんていうものの喩えを聞きますが、あれは嘘だね。
少なくとも、負の記憶は一か月以上残るようです。


意外とテルちゃんが執念深く、根に持つタイプの女の子だったことが判明した、この夏でした。