有元葉子さんのこと

有元葉子さんは、ご存知の方も多いとおもいますが、料理研究家として有名なだけでなく、イタリアと野尻湖にも別荘を持つ、リッチな未亡人として食・住・イタリアでの暮らしについてのエッセーなんかもたくさん書いておられます。



彼女のお料理はちょっとストイックなところがあって、表面上は「粗食」を売りにしてはいらっしゃいますが、全然粗食じゃなくて、しいて言うなら「ものすっごいこだわりのある粗食」の料理を得意としておられます。
我が家のような庶民には所詮縁のない世界なんです。が、彼女の出版する料理集やエッセーから滲み出ているリッチでストイックでスノビッシュな雰囲気って嫌いじゃない(好きといってもいい)ので、しょっちゅう図書館で借りては眺めております。



彼女の本に出てくる食器や調理器具はお洒落の一言では表現できないほど素敵です。
しばしば高級婦人雑誌に出てくる超リッチな食器・・・・ロイヤルコペンハーゲンのフルセットでディナーとか、魯山人作の和食器とギヤマンの猪口の組み合わせとか・・・・じゃなくて、彼女自身の審美眼で厳選された和食器が和洋中華に自由自在に合わせられているのです。
調理器具は、本当に使いやすそうで、「用の美」を体現しているとでも言うべき代物です。平成版の白州正子さん?



彼女のエッセーやプロフィールから察するに、ご主人亡き後、三人の娘さんを嫁がせ、大好きな料理を教えていたら、いつの間にかセンスのいい料理研究家として取り上げられるようになり、今に至っている、ということになっています。
確かにセンス抜群!
こんな超勝ち組の人生を送っている人もいるんだなぁ、と半ばあこがれつつも、こんな絵に描いたようなウマい人生?それはないでしょうと、懐疑的な気持ちも抱きつつ・・・。


実は、こんな、ちょっと眉唾っぽい成功談、私は嫌いじゃないのです。