視写

視写という言葉を聴いたのは、つい数ヶ月前のことです。
勤め先の中学で、一緒に二年生を担当している先生から教えていただきました。



早い話が、文章を原稿用紙に写し取っていくというものです。
ただし、原稿用紙は一行が20文字で、例えば教科書の文章は、一行が25文字だとすると、5文字分は、一行に収まらなくなるので次の行から書き始めることになります。

句点や読点が、行の頭に来てはいけないとか、「  」の使い方とか、改行してあるかとか、基本的な原稿用紙の使い方を体で覚えていくことが目的の一つでもあります。
さらに、なるべくたくさんの文章を読んで覚えて、より短い時間で、たくさんの文章を書けるようにすることが目的でもあります。
モデルとなる文章をから、優れた表現の方法や描写の仕方を真似て、自分の作文表現に生かせるようになったら言うことなしです。



こういう地道な作業を続けていくと、「書く」実力がつく、という説明でした。
確かに、今時の中学生って、板書するのに限りなく時間がかかるのです。本当だったら、国語の場合、もっと自由に発言させて、自由な発想の意見が出たら面白いと思いますから、設問は固定ではない方が、絶対に面白いはず。
でも、生徒に、話の流れに沿って、私が出す質問まで書かせていたら、今やっている形式の授業の半分も進まないと思います。理由は、(もちろん) 板書の時間がかかるためです。



この視写プロジェクトをやり始めて、半月たちます。
本当に成果が現れるのか否か、とりあえずは、二年生が終わるまでは様子を見てみたいと思っています。
「書く」スピードが速くなるだけなのか、文章のセンスまでもがアップするのか、結果が表れるのが楽しみです。