入学願書

三年生は、昨日から明日までの三日間、私立高校の一般入試が行われるため、授業はありません。
そんなわけで、職員室には、三年生の担任・担当の職員が勢ぞろいしています。
私も三年生担当ということで、同じ列に並んでいます。



少し前まで、私立の高校の入学願書を一枚一枚チェックするという大仕事があったんです。
「入学願書を何と心得る?」
みたいないい加減な願書を書く保護者が山ほどいて、心底びっくりしました。
一番受けたのは、保護者の氏名の後に押印するところがあるんだけど、なんとなんと、父親の実印が天地逆になっている人がいました。印鑑の文字って、確かに複雑怪奇で、なんと書いてあるのか良く分からないという手合いのものがあります。特に、苗字と名前が彫ってある実印のような印だと、ますますその傾向が強いっていうのも分かりますが。
天地逆の印鑑を押してきた入学願書がその後どんな扱いになったのかは知りません。



他には、訂正印で白い受験票が朱肉で真っ赤になっているようなものとか、切り離し厳禁の受験票が切り取られているものとか、黒インクで、とあるのに青で書いてあったりとか。
私が考え付く限りの「ありそうな失敗例」がすべて網羅されているといっても過言でないくらいでした。
とあるクラスでは、クラスの半数分の願書に不備や誤謬が見つかっていました。


ちなみに、私が初めて受験生の母をやった四年前は、失敗したときのために入学願書を余分に取り寄せて、下書きはもちろん、印鑑を押す練習までして、封筒の宛名書きは達筆な母に書いてもらいに行ったりしたものです。
実際のところ、願書を出しに行った窓口では、あっけないほど簡単に書類の漏れがないかチェックして、あれほど気張って書いてきた封筒の宛名なんか見向きもされていませんでしたけど。



それはともかくとして、実際問題として、自分の願書を正しく適切に書くことくらいは、もう中学三年生なんだから、本人の仕事だと思うんだけどね。
最低でも、間違いがないかチェックを入れるのは、担任の仕事じゃなくて、親の仕事だと思うんだけどねぇ・・・・・・
外野から、担任が血眼になって願書をチェックする様子をみていてそう思いました。